確定申告とクラウドファンディング支援

忙しい会社員でも大丈夫!クラウドファンディング支援の確定申告、いつから何を始める?準備期間とステップ解説

Tags: 確定申告, クラウドファンディング, 会社員, 準備, スケジュール, 一時所得, 寄付金控除

確定申告の準備、いつから始めるのが良い?

クラウドファンディングでプロジェクトを応援された会社員の皆様の中には、「確定申告が必要かもしれないけれど、いつ、何をすれば良いのか分からない」と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に、普段から税務に馴染みがなく、年末調整だけで税金の手続きが終わっているという会社員の方にとって、確定申告は慣れない手続きに感じるかと思います。

確定申告の期間は通常、毎年2月16日から3月15日までですが、準備はそれよりも前から計画的に進めることが大切です。早めに準備を始めることで、慌てずに必要な書類を揃えたり、不明点を調べたりする時間を確保できます。

ここでは、会社員の方がクラウドファンディング支援に関する確定申告をスムーズに進めるための準備期間と具体的なステップについて解説します。

確定申告準備の年間スケジュール概要

クラウドファンディング支援に関する確定申告の準備は、主に年末から年明けにかけて始まります。一般的な年間スケジュールは以下のようになります。

このスケジュールを目安に、ご自身の状況に合わせて準備を進めていきましょう。

具体的な準備ステップ:いつ何をすれば良い?

ステップ1:年末~年明け(12月~1月上旬)にやること

この時期は、ご自身がその年にどのようなクラウドファンディング支援を行ったのかを整理することから始めます。

  1. 応援したプロジェクトをリストアップする:
    • その年に応援したクラウドファンディングのプロジェクト名を書き出してみましょう。
    • 複数のプラットフォームを利用した場合は、それぞれのプラットフォームごとに確認します。
  2. 各支援のタイプと受け取ったリターンを確認する:
    • その支援が「寄付型」「購入型」「投資型」のどのタイプに該当するかを確認します。多くの個人が関わるのは「寄付型」か「購入型」が多いでしょう。
    • プロジェクトページや支援完了時のメールなどで、受け取ったリターン(返礼品など)の内容を確認します。リターンがない場合もあります。
  3. 税務上の扱いを確認する:
    • 受け取ったリターンの内容や支援のタイプによって、税務上の扱い(寄付金控除の対象か、一時所得になるかなど)が変わってきます。まずは、ご自身の支援がどのケースに当てはまるかを大まかに確認しておきましょう。特に、寄付型で特定の団体への支援は寄付金控除の対象となる可能性があります。リターンを受け取った購入型の場合は、リターンの経済的な価値が一時所得になる可能性があります。

ステップ2:年明け~申告期間開始前(1月中旬~2月中旬)にやること

ステップ1で整理した情報をもとに、確定申告に必要な書類を集めたり、所得金額を計算したりする準備を進めます。

  1. 必要書類の収集を開始する:
    • 寄付型の場合: 寄付金控除を受けるためには、「寄附金の受領証明書」が必要です。この証明書は、プロジェクトを主催した団体やクラウドファンディングの運営会社から発行されます。発行時期は年明けになることが多いため、まだ受け取っていない場合は、いつ頃発行されるかを確認しておきましょう。
    • 購入型でリターンがある場合: 受け取ったリターンの内容がわかる書類(プロジェクトページ、支援完了メール、領収書など)を整理します。リターンの「価値」を確認するために必要になることがあります。また、その支援にかかった費用(支援金額)も確認できるよう準備します。
    • 共通して必要な書類: 会社員の方は、勤務先から発行される「給与所得の源泉徴収票」が必要です。これは通常、年末調整が終わった後に勤務先から受け取ります。その他の所得がある場合は、それらの証明書類も必要になります。
  2. 所得金額の計算準備をする:
    • 寄付金控除: 「寄附金の受領証明書」をもとに、控除対象となる金額を確認します。控除額の計算方法も確認しておきましょう。
    • 一時所得: 購入型クラウドファンディングのリターンが一時所得となる場合、その所得金額を計算する必要があります。一時所得は「総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)」で計算されます。リターンの経済的な価値が「総収入金額」に、支援した金額が「収入を得るために支出した金額」に該当することが多いですが、リターンの価値の判断が難しい場合もあります。特別控除額の50万円があるため、一時所得の合計がこの金額を超えない場合は、基本的に確定申告は不要となります(他の給与所得以外の所得がない場合)。
  3. 確定申告が必要か最終判断をする:
    • 会社員の方は、給与所得以外の所得の合計額が年間20万円を超える場合に原則として確定申告が必要です。クラウドファンディング支援による所得(一時所得など)や、その他の副業収入などがある場合は、これらを全て合計して20万円を超えるかどうかを確認します。寄付金控除を受けるためだけに確定申告をする場合もあります。

ステップ3:申告期間中(2月16日~3月15日)にやること

必要な書類と計算準備ができたら、いよいよ確定申告書の作成と提出です。

  1. 確定申告書を作成する:
    • 国税庁のウェブサイトにある確定申告書作成コーナーを利用するのが便利です。案内に沿って金額などを入力していくことで、自動的に税額が計算されます。
    • クラウドファンディング支援に関する所得(一時所得)や控除(寄付金控除)は、申告書の該当箇所に入力または記載します。一時所得は「一時所得」の欄に、寄付金控除は「寄附金控除」の欄に記載します。
  2. 申告書を提出する:
    • 作成した確定申告書は、e-Tax(電子申告)でオンライン提出するのが最も一般的で便利です。
    • その他、税務署の窓口に提出したり、郵送で提出したりする方法もあります。

もし準備が遅れてしまったら?

「いつから始めるべきか分からず、気づけば申告期間が迫ってしまった」という場合でも、落ち着いて対応することが大切です。

まとめ

クラウドファンディング支援に関する確定申告の準備は、年末から計画的に進めることで、慌てずに正確な申告を行うことができます。まずはご自身の支援内容を整理し、必要な書類を確認することから始めてみましょう。給与所得以外の所得が20万円を超えるかどうかの判断や、寄付金控除の適用についても、早めに情報を集めておくことが大切です。

もし手続きで分からないことがあれば、国税庁のウェブサイトや税務署の相談窓口なども活用できます。この記事が、確定申告の準備を始めるための一歩となれば幸いです。