初めてでも安心!クラウドファンディング支援を無料の確定申告ソフトで申告するステップ
無料の確定申告ソフトを活用するメリット
クラウドファンディング支援をして確定申告が必要になるケースで、「税務署のサイトは難しそう」「手書きは面倒」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。そのような場合に活用できるのが、民間の会社などが提供している確定申告ソフトです。中には無料で利用できるソフトもあります。
これらのソフトを利用することで、確定申告の手続きをより分かりやすく、スムーズに進めることが期待できます。特に、確定申告が初めての方や、税務に不慣れな方にとって、以下のようなメリットがあります。
- ガイド機能: 画面の指示に従って入力していくだけで、必要な項目を埋めることができます。専門用語が苦手な場合でも、説明を参考にしながら進められます。
- 自動計算: 税額の計算や、一時所得の計算などが自動で行われます。計算間違いの心配が減ります。
- 書類作成の効率化: 入力した情報をもとに申告書が自動作成されます。印刷して郵送することも、e-Taxで提出することも可能です。
- 情報の保存: 入力した情報を保存しておけば、翌年以降の申告に活用できるソフトもあります。
この記事では、クラウドファンディング支援に関する項目を、無料ソフトを使って申告する際の具体的な入力ステップについて解説します。
確定申告ソフトでの入力準備
ソフトでの入力を始める前に、いくつかの書類を手元に準備しておきましょう。これにより、スムーズに作業を進めることができます。
準備しておくもの:
- インターネットに接続できるパソコンまたはスマートフォン
- 源泉徴収票(会社員の場合): 勤務先から受け取ったもの。
- クラウドファンディング支援に関する書類:
- 支援したプロジェクトの内容がわかるもの(契約書、サイトの画面コピーなど)
- 支援した金額や日付がわかるもの(領収書、明細、完了メールなど)
- リターンを受け取った場合は、その内容や価値に関する情報(購入型の場合)
- 寄付型クラウドファンディングで寄付金控除を受ける場合は、プロジェクトの実施者から送られてくる「寄附金の受領証明書」。
- マイナンバーカードまたは通知カードと本人確認書類
- 控除証明書(該当する場合): 生命保険料控除、地震保険料控除などの証明書。会社員で年末調整で申告済みであれば不要な場合が多いですが、念のため確認しておくと良いでしょう。
- 銀行口座情報: 還付金が発生する場合に必要になります。
これらの書類を準備したら、利用する確定申告ソフトを選び、ウェブサイトにアクセスするか、ソフトウェアをダウンロードしてください。
確定申告ソフトでの具体的な入力ステップ
ソフトによって画面構成は異なりますが、基本的な入力の流れは共通しています。ここでは一般的なステップと、クラウドファンディング支援に関する項目の入力について解説します。
ステップ1:基本情報の入力
ソフトにログインまたはアクセスしたら、まずは申告者本人の氏名、住所、生年月日、マイナンバーなどの基本情報を入力します。画面の案内に従って、お手元に準備した本人確認書類などを参考に正確に入力してください。
ステップ2:収入に関する入力
会社員の方は、勤務先から受け取った源泉徴収票を見ながら、給与所得の情報を入力します。源泉徴収票に記載されている支払金額、所得控除の額などを、ソフトの案内に従って入力します。
クラウドファンディング支援による収入がある場合(一時所得など)も、この「収入に関する入力」のセクションまたは別の関連セクションで入力します。
ステップ3:クラウドファンディング支援に関する入力
クラウドファンディング支援の税務上の扱いは、その形式(寄付型、購入型、投資型など)によって異なります。無料ソフトでも、多くの場合、これらの形式に応じた入力箇所が用意されています。
ケース1:寄付型クラウドファンディングで寄付金控除を受ける場合
寄付型クラウドファンディングは、特定のプロジェクトへの「寄付」として扱われることがあります。この場合、確定申告で「寄附金控除」を適用できる可能性があります。控除の対象となる寄付型クラウドファンディングは、国や地方公共団体、または特定の公益法人などへの寄付が該当します。
ソフトの入力画面では、「所得控除」や「寄附金控除」といった項目を探します。
- 「寄附金控除」の項目を選択: 該当する項目を選んで入力画面に進みます。
- 寄付先の入力: プロジェクト実施団体名や所在地などを入力します。
- 寄付金額・日付の入力: 支援した金額と、寄附金の受領証明書に記載されている寄付日を入力します。複数のプロジェクトに支援している場合は、それぞれ入力が必要な場合があります。
- 証明書の提出: 寄附金の受領証明書は、e-Taxで提出する場合は添付書類として電子提出するか、別途郵送または持参が必要です。印刷して郵送で申告する場合は、申告書に添付します。ソフトの案内に従って、提出方法を確認してください。
ケース2:購入型クラウドファンディングのリターンが「一時所得」になる場合
購入型クラウドファンディングで受け取ったリターンのうち、支援額に対して経済的な価値が高いものや、予想外の利益とみなされるものは、「一時所得」として課税対象になることがあります。商品やサービスを受け取った場合は、その「価値」が収入金額となります。
ソフトの入力画面では、「一時所得」の項目を探します。多くの場合、「その他の所得」といった大きな分類の中にあります。
- 「一時所得」の項目を選択: 該当する項目を選んで入力画面に進みます。
- 収入金額の入力: リターンの価値(経済的な利益)を収入金額として入力します。リターンの価値の判定は難しい場合がありますが、一般的な市場価格などを参考に判断します。
- 必要経費の入力(もしあれば): 一時所得を得るために直接かかった経費があれば入力します。クラウドファンディング支援の場合、通常は支援した金額そのものは経費になりません。
- 一時所得の計算: ソフトが自動で一時所得の金額を計算します。(一時所得 = 収入金額 - 収入を得るために支出した金額の合計 - 特別控除額(最高50万円))。この特別控除額50万円があるため、一時所得の合計が年間50万円以下であれば、税金はかかりません。
ご自身のクラウドファンディング支援がどのケースに該当するか不明な場合は、プロジェクトの内容や受け取ったリターンを確認し、必要に応じて税務署の相談窓口などに確認することをお勧めします。
ステップ4:その他の控除に関する入力
生命保険料控除、地震保険料控除、iDeCoの掛金など、年末調整で申告済みの項目は、源泉徴収票の情報を入力することで自動的に反映されることがほとんどです。医療費控除やふるさと納税(寄付金控除の一部)など、ご自身で追加で申告したい控除があれば、それぞれの項目を選んで入力します。
ステップ5:税額計算と内容確認
入力が完了すると、ソフトが所得税額や住民税額などを自動で計算して表示します。計算結果を確認し、入力内容に誤りがないか、準備した書類と照らし合わせて最終確認を行います。
ステップ6:申告書の作成と提出方法の選択
入力内容が確定したら、ソフトが確定申告書を作成します。作成された申告書を確認し、提出方法を選択します。
- e-Tax(電子申告): マイナンバーカード方式またはID・パスワード方式で、インターネット経由で申告書を提出できます。マイナンバーカード方式の場合はカードリーダーが必要な場合がありますが、最近はスマートフォンで読み取り可能なソフトもあります。
- 印刷して郵送: 作成された申告書を自宅のプリンターで印刷し、必要書類を添付して税務署へ郵送します。
ソフトの指示に従って、希望する提出方法を選び、手続きを進めてください。
入力時の注意点
- 書類は正確に: 入力する情報は、お手元の書類(源泉徴収票、証明書など)をよく見て正確に入力してください。特に金額の入力ミスがないか確認しましょう。
- 不明な点はヘルプ機能や解説を参照: ほとんどの確定申告ソフトには、入力方法に関するヘルプ機能や解説が付属しています。分からないことがあれば、まずはそれらを活用してください。
- 提出期限に注意: 確定申告には提出期限があります。期限ギリギリになって慌てないよう、余裕をもって作業を進めましょう。
まとめ
無料の確定申告ソフトを活用すれば、クラウドファンディング支援に関する項目を含め、確定申告の手続きを自宅で比較的簡単に行うことができます。この記事で解説したステップを参考に、落ち着いて入力作業を進めてみてください。
ご自身のケースで判断に迷う場合や、入力方法について不明な点がある場合は、税務署の電話相談やチャットボット、確定申告ソフトのサポート機能を活用することをお勧めします。正しい情報を基に、適切な確定申告を行いましょう。